講義内容
このコースはデルフト工科大学の「 Entrepreneurship for Engineers 」を翻訳し、日本語字幕をつけたものです。
技術革新を基盤に置いたベンチャー起業に興味のある方、新しい技術を活用してイノベーションを起こすことに情熱を持っていらっしゃる方は、ぜひこのコースを学習なさってください!
このコースでは技術志向のアントレプレナーシップと具体的な起業プロセスについての理解を、知識学習とテクノプレナー(技術系起業者)へのインタビューを通じて深く学んで行きます。 コースは9つの章(モジュール)で構成されており、以下のような内容が含まれます。
- 機会の特定と認識
- 顧客の検証
- チームビルディング
- マーケティング
- 試作品の活用
- ピボット(製品の調整や方向転換)
- ビジネスモデル設計やツール
- 財務
- イノベーションエコシステム
学習目標
以下の事項についての知識やスキルの習得が学習目標となっています。- テクノプレナー(技術系起業者)になるために必要な知識
- ビジネスの機会を特定する多様な手法
- 市場調査を行い、ビジネスアイディアの実行可能性を証明する能力
- 実行可能なビジネス提案を作成し、アイディアをステークホルダーにピッチする能力
- ニューベンチャーにおける製品開発とチーム構築のダイナミクスの理解
- ビジネスアイディアをマーケティングや財務を含めたビジネスプランに発展させる能力
シラバス
・第1章:はじめに本コースの内容と構成の説明です。
・第2章:アントレプレナーの旅の始まり
起業の旅(entrepreneurial journey)の始まりです。技術系メガ・ベンチャーの事例から導入し、起業にとってまず必要なこと、取るべき道筋、起業家が陥りやすい誤解などについて説明します。アントレプレナーが、自分たちの起業について、インタビューに答えます。
・第3章:アントレプレナーの機会
起業家の機会とはなんでしょうか。イノベーティブなアイディアがあれば起業は必ず成功するわけではありません。また、アイディアの価値はいつか陳腐化します。すばらしいアイディアを継続する機会に変えていくためには何が必要となるのでしょうか。
・第4章:顧客の検証と戦略
自社のビジネスを成功に導くためには潜在的な顧客の発見と特定、理解が必要です。顧客と会話することにより、ソリューションや製品、サービスの改善を行います。大きな方向変換となることもありますが、大切な検証です。このプロセスを経て、顧客の期待にあう価格戦略を行います。インタビューではアントレプレナーたちが、顧客とのコミュニケーションを通じた製品の調整と価格決定の実際について語ります。
MVPとはなんでしょうか。製品やソリューションの価値を確認できる最小限のものです。マーケットをセグメントして、顧客との会話を行い、プロダクトを改善し、価格付について幾重にも検証を行っても、実際に市場に出してユーザーがお金を出して購入してくれるかどうかは、また別の問題となることもあります。そこでMVPを用いて、さらなる検証を行います。
・第6章:ビジネスモデル
製品やソリューションの製造と販売、価値を受け取り対価を支払う、これらの要素がビジネスモデルを構成します。ここでは5つのビジネスモデルを紹介し、さらにステークホルダー間での価値創造と価値獲得について、それぞれ2つずつのアドオンを説明します。また、ビジネスモデルと属するエコシステムとの関係を可視化し最適化するためのツールについても紹介します。
・第7章:戦略と財務
起業の旅(entrepreneurial journey)の各プロセスで欠かせないのが資金の調達です。適切な財源がなければ、起業家はビジネスの機会を活かすことができません。投資家、家族や友人からの援助、公的機関からの助成金、株主資金などさまざまな資金調達元について知り、どのように資金を得ればよいのかについて学びましょう。
・第8章:イノベーションを支援するエコシステム
ビジネスを構成するのは商品やサービスを創造、提供する自社と、価値を受け取る顧客だけではありません。サプライヤー、調査機関、パートナー、法的機関などさまざまなアクターとの相互補完によって、ビジネスを実行するためのエコシステムが成り立っているのです。自社のビジネスを存立させるためのエコシステムを理解し、ビジネスを適切な方向に向けて進めていくことを学びます。 またエコシステム全体のマッピングや設計、分析を支援するEPMというツールも紹介します。
・第9章:アクションを起こせ!
この章では8章までに学んだことを振り返り、技術者の起業について必要なことを確認します。しかしもっとも重要なのはアクションを起こすことです。すべての準備が整わなくても、必要なリソースに不足の点があっても、まずスタートし、さまざまなフィードバックを受けて調整を行いながら前進することが重要です。投資家、顧客などのターゲットとなるオーディエンスに向けての効果的なピッチについても紹介します。
- 分野
- ビジネス
- 前提となる知識
- とくになし
- 想定学習時間
- 5時間
- 修了認定テスト
修了証書発行 - なし
- 受講期間
- 期限なし
- 講座サンプル
コース・コーディネイター
Victor Scholten
Dap Hartmann
インタビューに登場する
テクノプレナーたち
Ruben van Vreeland(Bitsensor社)
Simon van der Jagt(NowiEnergy社)
Joost Aanen(Eventix社)
Henk Arntz(Snocom社)
Wim van Hoeve(Tide Microfluidics社)
翻訳ボランティア
謝辞本コースの日本語翻訳は、下記のボランティアの方々のご協力によるものです。ここに厚く感謝申し上げます。
鈴木もなみ様、松浦英志様
権利関係
この講座はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で提供されています。
Entrepreneurship for Engineers
Tu Delft(デルフト工科大学)
オランダ最古の工科大学で、ヨーロッパでも非常に高い評価を受けている名門校。土木工学、建築、航空宇宙学などがとくに有名。大学のロゴはギリシャ神話にある「プロメテウスの炎」を表しています。https://www.tudelft.nl/