森林火災の原因はさまざまですが、消防隊、森林警備隊、とくには空軍までもが力を合わせて、火災による森林の消失を守ろうとしています。持続可能な形で森林を保護し、生物多様性や天然資源の恩恵を守ることは SDGs 目標の15です。

男女の賃金格差の問題は、世界でも多くの国に存在しています。ベルリンの地下鉄が、男女賃金格差の問題を強調するために、女性のための割引キャンペーンを行いました。あらゆる形態の女性への差別を撤廃し、ジェンダー平等を目指すのは、SDGs 目標の5です。

パキスタンでは医療従事者が不足しており、インターネットを通じた遠隔クリニックが効果を上げています。結婚・出産後、仕事をやめてしまう女性医師が多いことが社会的な問題になっていましたが、遠隔クリニックは女性医師のはたらく選択肢を広げています。女性活躍のための環境整備は SDGs 目標の5、適切な雇用の創出は SDGs 目標の8として掲げられています。

ルワンダの学校に、ICT 教育の改善のため、ノートパソコンが次々に導入されています。「スマートな教室」投資の一環です。生徒たち・教師たちは新しいテクノロジーを学び、学習を充実させています。SDGs 目標の4では、すべての子どもたちに、平等で質の高い教育を受けられることを掲げています。

世界の大陸総面積の30％を占める森林が、次々と破壊され、失われています。炭素貯蔵や生物多様性の面で、決定的な損失です。森林の破壊は地球の天候を変え、降雨量も減り、温暖化を推し進めることにもなります。森林の保護は SDGs の目標15、気候変動への影響軽減は目標13に掲げられています。

プラスティック廃棄物は増加の一途をたどっています。今のペースでいくと、2050年までに120億トンのプラスティックごみが存在すると言われています。各国はプラスティックの使い捨てを抑制するさまざまなアクションを取っていますが、思うような効果は上がっていません。製品ライフサイクルを調整し、廃棄物の削減を目指すことは SDGs 目標の12です。

風力発電の弱点は風がない日の発電ですが、洋上風力発電はその解決となるようです。風のある場所に向かえばいいのです。一般に洋上風力発電の方が、陸上よりも倍の発電力があり、さらに景観に対するインパクトも少なく済みます。クリーンで持続可能なエネルギーの割合を高めていくことは、SDGs 目標の7です。

都会の生活での1つの問題は、都市のヒートアイランド現象などにより、地方にくらべて気温が高くなりがちなことです。この解決のために、グリーンルーフの設置や、高反射塗料の利用など、いくつかの技術が試行されています。住みやすく持続可能な居住環境を実現することは SDGs 目標の11です。

ペルーでは、湖や河川の淡水汚染という問題の解決のため、微細藻類を利用しようとしています。藻類は水中で増殖して、栄養物としてミネラル汚染物質を吸収します。長年の採鉱活動で汚染された Juin 湖で、藻類を使った汚染物質除去が始まろうとしています。安全な水の確保、水に関連する生態系の保護は、SDGs 目標の6です。

流行を追いながら短いサイクルで大量生産・販売される衣料をファストファッションと呼びますが、大量消費されるために、環境に対するインパクトが問題になっています。Tシャツ１着を作るのにシャワー70回分の水が必要ですし、ポリエステルは製造時にも、洗濯時にも、環境に大きな負担を及ぼします。持続可能な生産と消費のために、その形態を見直していくことは、SDGs 目標の12です。